性能試験の詳細
(1)耐火性能試験 | (2)防盗性能試験 | (3)耐水・防水性能試験
(1)耐火性能試験
火事・火災から収納物を守る為、「耐火試験」と「落下試験」の主に2種類の試験があります。
建物の崩壊などにより2階や3階から落下した場合を想定した「落下試験」や、急激な発火による温度上昇や爆発に備えた「急加熱(爆発)試験」など、あまり知られておりませんが、購入時にチェックしていただきたい性能です。
JIS標準加熱試験
JIS標準加熱試験合格マーク
徐々に広がる一般的な火災を想定した耐火試験に合格したマークです。
※画像内の数字は、対応時間数を表しています。(例)「1」は、1時間耐火。
試験規格について
日本産業規格(JIS)
産業標準化法に基づいて、定められる日本の国家規格です。
試験方法
1.庫内の5面に新聞紙を張付け、新聞紙の束を各区画におき、温度センサーをセットする。
(※フレキシブルディスク用は、温度センサー・湿度センサーのみをセットする。)
2.金庫を炉内に入れ、「JIS標準温度曲線」に従って炉内温度を加熱する。
3.各製品の耐火試験時間で加熱を止め、炉内で自然放冷する。
4.金庫内の状態や温度センサー等を確認する。
合格判定基準
一般紙用
- 加熱試験中及び炉内冷却中、庫内温度が177℃以下であること。
- 庫内に設置した新聞紙の変色、劣化が著しくなく判読できること。
フレキシブルディスク用
- 加熱試験中及び炉内冷却中、庫内温度が52℃以下及び内部湿度が80%以下であること。
UL耐火試験
UL耐火試験合格マーク
徐々に広がる一般的な火災を想定した耐火試験に合格したマークです。
※画像内の数字は、対応時間数を表しています。(例)「1」は、1時間耐火。
試験規格について
UL規格(Underwriters Laboratories Inc.)
アメリカに本拠地を置く、製品安全の試験・認証機関です。
試験方法
1.庫内に温度センサーをセットする。 (※ULメディア用は、温度センサー・湿度センサーをセットする。)
2.金庫を炉内に入れ、規定に従って炉内温度を加熱する。
(※2時間耐火:1010℃まで加熱、1時間耐火:927℃まで加熱、0.5時間耐火:843℃まで加熱。)
3.各製品の耐火試験時間で加熱を止め、炉内で自然放冷する。
4.金庫内の状態や温度センサー等を確認する。
合格判定基準
一般紙用
- 加熱試験中及び炉内冷却中、庫内温度が177℃以下であること。
フレキシブルディスク用
- 加熱試験中及び炉内冷却中、庫内温度が52℃以下及び内部湿度が80%以下であること。
ETL耐火試験
ETL耐火試験合格マーク
徐々に広がる一般的な火災を想定した耐火試験に合格したマークです。
※画像内の数字は、対応時間数を表しています。(例)「1」は、1時間耐火。
試験規格について
ETL規格(Intertek)
世界最大級の試験機関で、安全認証を行なっています。
試験方法
1.庫内に温度センサーをセットする。
(※デジタルメディア用は、温度センサーとCD/DVD/USBドライブ/フラッシュメモリ、MP3などをセットする。)
2.金庫を炉内に入れ、規定に従って炉内温度を加熱する。
(※2時間耐火:1010℃まで加熱、1時間耐火:927℃まで加熱、0.5時間耐火:843℃まで加熱。)
3.各製品の耐火試験時間で加熱を止め、炉内で自然放冷する。
4.金庫内の状態や収納物・温度センサー等を確認する。
合格判定基準
一般紙用
- 加熱試験中及び炉内冷却中、庫内温度が177℃以下であること。
デジタルメディア用
- CD/DVD/USBドライブ/フラッシュメモリ、MP3が保護されていること。
SP耐火試験
SP耐火試験合格マーク
徐々に広がる一般的な火災を想定した耐火試験に合格したマークです。
※画像内の数字は、対応時間数を表しています。(例)「1.5」は、1.5時間耐火。
試験規格について
SP規格(SP Technical Research Institute of Sweden)
SPスウェーデン国技術研究所で、安全認証を行なっています。
試験方法
1.庫内に温度センサーをセットする。
2.金庫を炉内に入れ、規定に従って炉内温度を加熱する。
(※2時間耐火:1010℃まで加熱、1.5時間耐火:1010℃まで加熱、1時間耐火:1010℃まで加熱。)
3.加熱終了後、すぐに金庫内の状態や温度センサーを確認する。
合格判定基準
一般紙用
- 加熱試験中及びチェック時に、庫内温度が150℃以下であること。
KS耐火試験
KS耐火試験合格マーク
徐々に広がる一般的な火災を想定した耐火試験に合格したマークです。
※画像内の数字は、対応時間数を表しています。(例)「1」は、1時間耐火。
試験規格について
韓国産業規格(Korean Industrial Standerrds)
韓国の韓国産業標準化に基づいた工業製品の標準規格です。
試験方法
1.庫内に新聞紙の束を各区画におき、温度センサーをセットする。
2.金庫を炉内に入れ、規定に従って炉内温度を加熱する。
(※0.5時間耐火:843度まで加熱、1時間耐火:927℃まで加熱。)
3.各製品の耐火試験時間で加熱を止め、炉内で自然放冷する。
4.金庫内の状態や温度センサー等を確認する。
合格判定基準
一般紙用
- 加熱試験中及び炉内冷却中、庫内温度が177℃以下であること。
- 庫内に設置した新聞紙の変色、劣化が著しくなく判読できること。
JIS急加熱・衝撃落下試験
JIS急加熱・衝撃落下試験合格マーク
火災による建物の崩壊により2階や3階(9.1メートル)から落下した場合や急激な発火による温度上昇や爆発を想定した急加熱試験に合格したマークです。
試験規格について
日本工業規格(JIS)
工業標準化法に基づいて、定められる日本の国家規格です。
試験方法
1.庫内の5面に新聞紙を張付け、新聞紙の束をセットする。
2.あらかじめ1,090℃以上に加熱された加熱炉に素早く金庫を入れ、急加熱を行う。
1時間耐火:30分間加熱を維持する。
2時間耐火:30分間加熱を維持し、さらに追加で15分追加熱する。
3時間耐火:30分間加熱を維持し、さらに追加で30分追加熱する。
3.金庫を炉内より出し4分以内に、9.1mの高さからレンガの敷かれたコンクリート基盤の床に落下させる。
4.落下試験後、金庫を上下逆さまにして再び炉内に入れ標準温度曲線に沿うように再加熱する。
- 1時間耐火:30分間再加熱する。
- 2時間耐火:45分間再加熱する。
- 3時間耐火:60分間再加熱する。
5.再加熱後、炉内で自然放冷する。
6.金庫内の状態や試験体を確認する。
合格判定基準
- 試験体に破裂が起こらないこと。
- 施錠状態を維持していること。
- 庫内に設置した新聞紙の変色、劣化が著しくなく判読できること。
UL落下試験
UL落下試験合格マーク
火災による建物の崩壊により2階や3階(9.1メートル)から落下した場合を想定した落下試験に合格したマークです。
試験規格について
UL規格(Underwriters Laboratories Inc.)
アメリカに本拠地を置く、製品安全の試験・認証機関です。
試験方法
1.庫内のに温度センサーをセットする。
2.加熱炉に金庫を入れ、30分間で843℃まで加熱を行う。
3.金庫を炉内より出し、9.1mの高さから落下させる。
4.落下試験後、金庫を上下逆さまにして再び炉内に入れ、30分間で843℃になるまで再加熱する。
5.再加熱後、炉内で自然放冷する。
6.金庫内の状態や温度センサーを確認する。
合格判定基準
- 庫内温度が177℃以下であること。
- 施錠状態を維持していること。
UL爆発試験
UL爆発試験合格マーク
急激な発火による温度上昇や爆発を想定した爆発試験に合格したマークです。
試験規格について
UL規格(Underwriters Laboratories Inc.)
アメリカに本拠地を置く、製品安全の試験・認証機関です。
試験方法
1.あらかじめ1,090℃以上に加熱された加熱炉に素早く金庫を入れ、20分間急加熱を行う。
2.炉内で自然放冷する。
3.金庫内外の状態を確認する。
合格判定基準
- 爆発・破裂しないこと。
ETL落下試験
ETL落下試験合格マーク
火災による建物の崩壊により2階(4.5メートル)から落下した場合を想定した落下試験に合格したマークです。
試験規格について
ETL規格(Intertek)
世界最大級の試験機関で、安全認証を行なっています。
試験方法
1.庫内のに温度センサーをセットする。
2.加熱炉に金庫を入れ、30分間で843℃まで加熱を行う。
3.金庫を炉内より出し、4.5mの高さから落下させる。
4.落下試験後、金庫を上下逆さまにして再び炉内に入れ、30分間で843℃になるまで再加熱する。
5.再加熱後、炉内で自然放冷する。
6.金庫内の状態や温度センサーを確認する。
合格判定基準
- 庫内温度が177℃以下であること。
- 施錠状態を維持していること。
KS急加熱・衝撃落下試験
KS急加熱・衝撃落下試験合格マーク
火災による建物の崩壊により2階や3階(9.1メートル)から落下した場合や急激な発火による温度上昇や爆発を想定した急加熱試験に合格したマークです。
試験規格について
韓国産業規格(Korean Industrial Standerrds)
韓国の韓国産業標準化に基づいた工業製品の標準規格です。
試験方法
1.庫内に新聞紙の束をセットする。
2.あらかじめ1,090℃以上に加熱された加熱炉に素早く金庫を入れ、急加熱を行う。
1時間耐火:30分間加熱を維持する。
3.金庫を炉内より出し4分以内に、9.1mの高さからレンガの敷かれたコンクリート基盤の床に落下させる。
4.落下試験後、金庫を上下逆さまにして再び炉内に入れ標準温度曲線に沿うように再加熱する。
- 1時間耐火:30分間再加熱する。
5.再加熱後、炉内で自然放冷する。
6.金庫内の状態や試験体を確認する。
合格判定基準
- 試験体に破裂が起こらないこと。
- 施錠状態を維持していること。
- 庫内に設置した新聞紙の変色、劣化が著しくなく判読できること。
(2)防盗性能試験
盗難や犯罪の防止を目的として、さまざまの工具等による破壊に一定時間耐えられます。
日本の業界規格です。日本セーフファニチュア協同組合連合会によって規格が定義されています。
耐工具「TS-15」防盗(耐破壊性能)試験
TS-15防盗(耐破壊性能)試験合格マーク
バールによるこじ開けや簡易工具(電動工具は除く)による金庫へ破壊攻撃を想定した破壊試験に合格したマークです。
試験方法
1.専門の係員2名~3名で規定の工具を使い、下記箇所への攻撃試験をA系列・B系列の順で各15分間行ないます。
- A系列:施錠機構への攻撃。
- B系列:扉をこじ開け及びカンヌキへの攻撃。
合格判定基準
- 15分以内に開扉または扉が取り外されないこと。
耐工具「TL」防盗試験
耐工具「TL」防盗試験合格マーク
バールによるこじ開けや簡易工具・電動工具による金庫へ破壊攻撃を想定した防盗試験に合格したマークです。
試験方法
1.専門の係員2名~3名で規定の工具を使い、下記箇所への攻撃試験をA系列・B系列・C系列の順で規定時間行ないます。
- A系列:施錠機構への攻撃。
- B系列:扉をこじ開け及びカンヌキへの攻撃。
- C系列:侵入口を開ける。
合格判定基準
- 規定時間以内に開扉または扉が取り外されないこと。
- 庫内に100mm以上の穴を開けられないこと。
耐溶断・耐工具「TRTL」防盗試験
耐溶断・耐工具「TRTL」防盗試験合格マーク
バールによるこじ開けや電動工具、ガスバーナーを利用した溶断による金庫へ破壊攻撃を想定した防盗試験に合格したマークです。
試験方法
1.専門の係員2名~3名で規定の工具を使い、下記箇所への攻撃試験をA系列・B系列・C系列の順で規定時間行ないます。※金庫の中に測定材(新聞紙の束を設置)
- A系列:施錠機構への攻撃。
- B系列:扉をこじ開け及びカンヌキへの攻撃。
- C系列:侵入口(穴)を開ける。
合格判定基準
- 規定時間以内に開扉または扉が取り外されないこと。
- 庫内に100mm以上の穴を開けられないこと。
- 庫内に入れた測定材(新聞紙)の面積の5分の3以上損傷がないこと。
(3)防水・耐水性能試験
消化放水から守る耐水性や洪水による浸水やゲリラ豪雨などの水害から大切なものを一定時間守ります。
ETL耐水試験
ETL耐水試験マーク
火災発生時の消化放水を想定した耐水試験に合格したマークです。
試験規格について
ETL規格(Intertek)
世界最大級の試験機関で、安全認証を行なっています。
試験方法
約20センチの水中に製品を24時間沈める。
※金庫の下部20センチ部分のみを沈める。
※「火災時の耐水」の場合は、熱を加えた後に沈める。
合格判定基準
- 耐水性が認められること。
ETL防水試験
ETL防水試験マーク
洪水による浸水やゲリラ豪雨などの水害を想定した防水試験に合格したマークです。
試験規格について
ETL規格(Intertek)
世界最大級の試験機関で、安全認証を行なっています。
試験方法
フタ上約5センチの水中に製品を沈め、規定時間で引き上げた後、状態を調べる。
※金庫全体を沈める。
合格判定基準
- 庫内に侵入した水の総量が0.5グラム未満であること。
CTLI 防水試験
CTLI 防水試験マーク
洪水による浸水やゲリラ豪雨などの水害を想定した防水試験に合格したマークです。
試験規格について
CTLI 規格(Consumer Testing Laboratories Inc.:消費者テスト研究所/米国)
米国にある消費者テスト研究所です。
試験方法
フタ上約20センチの水中に製品を8時間沈め、引き上げた後、状態を調べる。
※金庫全体を沈める。
合格判定基準
- 庫内に水が浸透しないこと。
PEI 防水試験
PEI 防水試験マーク
洪水による浸水やゲリラ豪雨などの水害を想定した防水試験に合格したマークです。
試験規格について
PEI 規格(Packer Engineering Inc.:パッカーエンジニアリング研究所/米国)
米国にある消費者テスト研究所です。
試験方法
フタ上約30センチの水中に製品を2時間沈め、引き上げた後、状態を調べる。
※金庫全体を沈める。
合格判定基準
- 2時間後、庫内の浸透した水が0.5g未満であること。